〈代表呼びかけ人・内田樹〉
2022年4月13日、山崎雅弘さんに対する竹田恒泰氏の上告が最高裁によって棄却され、山崎さんの勝訴が最終的に確定しました。
これまでご支援くださった皆さんに心から御礼を申し上げます。
2022.5.8.更新
2022.5.8 更新
2022.5.8 更新
2022.5.8 更新
2022年5月現在、総寄付者延べ1414人。寄付総額12,039,686円。
諸経費を引いて残高は9,595,419円となっております。
ご支援くださった皆様のご厚志に重ねて感謝申し上げます。
ご支援のお願い
みなさん、こんにちは。内田樹です。
こちらは山崎雅弘さんがいま行っている名誉毀損裁判のための費用をクラウドファンディングするためのページです。僕がこの募金活動の代表呼びかけ人となっています。
ご存じの方も多いと思いますけれど、山崎雅弘さんは戦史・紛争史研究家として多くの著作を書かれ、さまざまな媒体を通じて活発に現代社会の諸相について発言されている気鋭の論客です。そして、僕が信頼を寄せる年若い友人でもあります。
その山崎さんに対して、今回、竹田恒泰氏より名誉毀損の訴えがありました。経緯については山崎さんご自身が詳しく書かれていますので、それをご一読ください。
https://togetter.com/li/1435792
2019年11月13日に富山県朝日町教育委員会主催で開催が予定されていた竹田恒泰氏の講演について、山崎雅弘さんが、これまで差別的発言を繰り返してきた竹田氏の講師としての適格性について自身のTwitter上で疑問を呈しました。その後、竹田氏の講演は中止となりましたが、これについて講演中止の責任は山崎さんにあるとして竹田氏が山崎さんのツイートの削除を要求し、山崎さんがそれを退けたことが本件の発端です。山崎さんは当該ツイートに関して、竹田氏自身が過去に差別的な発言を繰り返してきたという客観的事実を指摘していること、差別的発言は社会通念上許されないので、それを批判することは公共的な目的にかなっているということを根拠に、名誉毀損にはあたらないという立場をとっています。
ことの正否理非についてはみなさんが良識をもってご判断くだされば、いずれに理があり、いずれに正義があるかは自ずとお分かりいただけるものと思います。
裁判の推移については、これから山崎さんご自身から随時に報告がなされることになると思います。第一回は3月6日に開廷され、書面提出がなされました。4月以後、定期的に行われるはずです。
裁判にはかなりの金額の費用がかかります。また東京地裁での裁判ですので、三重県在住の山崎さんはそのつどの交通費・宿泊費を自費で負担しなければなりません。最終的に結審するまでにどれだけの費用を山崎さんが負担しなければならないのか、予測はつきませんけれども、僕としてはできるだけ友人の裁判活動を支援してゆきたいと思っています。
つきましては、趣旨にご賛同下さる方に裁判費用を支弁するための醵金をお願いしたいと思います。
僕自身はこれを単なる経済的な支援だとは考えておりません。
第一に、この訴訟は「言論の自由」という原理を毀損するものだと思うからです。今回の事案では、どちらの言い分がより条理が通っているかは、ひろく「言論の場」において吟味すべきものだと思います。言論の場が最終的に生き残るべき言葉を選ぶ。僕はそのくらいには言論の場の審判力を信じています。言論の自由はまさにそのためのものです。ですから、言論によって理非を論ずることを放棄して、直接法律で決着をつけようとする竹田氏の態度に僕は言論の場に対する敬意を認めることはできないのです。
第二に、このような訴訟では、訴えられた側はただちに高額の弁護士費用を負担し、以後多大の時間とエネルギーを裁判のために費やさなければならないということです。つまり、「経済的に余裕のある人間はいくらでも名誉毀損裁判を起こして、論敵を経済的に追い詰め、その本業を妨害することができる」ということです。これはアンフェアだと僕は思います。
言論の自由と言論の場の審判力を守るために、そして法の下でのフェアネスを守るために、僕は山崎雅弘さんの裁判費用支援をできるだけ多くのみなさんにお願いしたいと思います。
だいじなのは金額ではなく、支援の意志です。ですから、通常のクラウドファンディングのように、いくら寄付すると、どのような「リターン」があるというような仕組みは今回は採用しません。「何円お金が集ったか」よりも、固有名で支援の意志を示してくださる方が今の日本に「何人いるのか」の方がずっと大事だし、山崎さんをずっと力づけると思うからです。
ぜひご協力をお願い致します。金額はいくらでも結構です。それぞれの経済的余力に応じてご寄付ください。そして、この趣旨にご賛同してくださった方はできればお名前とコメントをお寄せください。どうぞよろしくお願い致します。