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​裁判資料1

2020年4月15日に、山崎雅弘の代理人弁護士より東京地方裁判所に提出された、訴状の各項目に対する否認と反証を詳細に述べた「被告第2準備書面」より一部を抜粋。​

【公正な論評の法理

 

 ある事実を基礎としての意見ないし論評の表明による名誉毀損にあっては、その行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあった場合に、右意見ないし論評の前提としている事実が重要な部分について真実であることの証明があったときには、人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り、右行為は違法性を欠き、また、仮に右意見ないし論評の前提としている事実が真実であることの証明がないときにも、行為者において右事実を真実と信ずるについて相当の理由があれば、この故意又は過失は否定される(最3小判1997(平成9)年9月9日・民集51巻8号3804頁)。】

 

【原告の講演会は、朝日町の教育委員会が中高生を聴衆と想定してその企画を進めているものであるところ、地方公共団体が中高生相手にいかなる内容の講演を企画しているかは、将来を担う若者の成長に関することであり、したがって、地方公共団体が中高生相手に催す講演会がいかなるものであるかは、公共の利害に関する事実である。】

 

【日本の価値を肯定的に強調する一方で、原告は「面白いけど笑えない中国の話」という書籍(乙9)や「笑えるほどたちが悪い韓国の話」(乙10)を執筆公表し、それらの書籍において、例えば中国に関しては、

a「中国では、ある悪事を廃しても別の悪事が蔓延る、いわば、どうしようもない国なのです。『中国人に付けるクスリはない』と言われる所以はここにあります。」(乙9の8頁)

 

b「中国というのはシュールで、奇怪で、不気味でー 一言でまとめると『ひどい国』なのです。」(同11頁)

 

c(大根の無料配布に人びとが殺到した事件を紹介した上で)「日本人ならこの神経は到底理解できるものではありません。それどころか、同じ人間であることすら疑わしく思えます。…同じほ乳類であることすら疑わしく思えるのはなぜでしょう。」(同19〜20頁)

 

d「海産資源でも何でも、乱獲の影響が他国に及ぶことぐらい、普通に考えれば分かります。また、自分たちの世代の乱獲が、次世代に資源の枯渇を招くという発想を、文化レベルの高い民族なら持つはずです。中国人には、そんな発想はありません。今、この魚を獲ればオレはいくら儲かるかー 目の前のカネのことしか考えていないのです。」(同21〜22頁)

 

〔略〕

 

g「中国という国が提供するのは、見た目は輝いているものの、おおむね金メッキを施されたガラクタです。」(同72頁)

 

h「『安さ』は、中国製品のポイントです。と言うか、中国製品にはそれ以外の“売り”がありません。」(同76頁)

 

i「私の知る限り、ミャンマー人には誠実で勤勉な人が多い。嘘つきで強欲で、しかも敵意剥き出しの中国人とどちらを雇うのが良いかー 考えるまでもなく明らかでしょう。」(同87頁)

 

j「中国は元々、人権抑圧の廉で欧米の経済制裁を受けていたミャンマーの軍事政権と仲良しでした。嫌われ者は嫌われ者同士ということです。」(同102頁)

 

〔略〕

 

n「今の中国人というのは、近代のソフトもインストールされていなければ、伝統文化の精神も持たないー いってみれば精神的根なし草の状態にある人々です。現在の彼らにあるものといえば、極めて強い経済への関心(拝金主義)と、あとはせいぜい反日のイデオロギーぐらいのものです。」(乙10の61頁)

等と、侮辱、中傷、侮蔑にわたる言葉を浴びせ、また、韓国に対しても、

(1)「新聞に連日現れる韓国の話は、嘘に塗りたくられた、あまりに中身が空っぽな話ばかりで、哀れさすら覚えてしまうほどです。韓国の話は、もはや、『笑えるほどたちが悪い話』に進化しているといってもいいでしょう。」(乙10の2頁)

 

(2)「韓国は『卑怯な国』なのです。」(同3頁)

 

(3)「日本は豊かな自然や人材に恵まれましたが、近隣諸国にだけは恵まれませんでした。日本の西側は、世界最低の国3カ国に固められているのです。」(同5頁)

 

(4)「韓国という国自体が、東アジアの『いやげもの』みたいな国なのではないか。あってもなくてもどちらでもいい、むしろなくなってくれた方がありがたいのだが、さりとて捨て去るわけにもいかない『いやげもの』国家=韓国ー。」(同8頁)

 

〔略〕

 

(6)「彼ら、メイド・イン・ジャパンの品質には絶対にかなわないから、もうパクるしかないわけです。」(同20頁)

 

〔略〕

 

(8)「韓国はどうか。韓国人の精神にも、近代のソフトは中途半端にしかインストールされていません。その代わり、伝統文化の破壊を経験しなかった彼らには、前近代的価値観の拘束力というものが非常に強い。つまり、前近代のしっぽをぶら下げた中途半端な近代人というのが、今の韓国人の平均的なプロフィールといえるでしょう。ここで『日本人もそうではないか』などと反論してくる向きもあるかもしれませんが、それは違います。まず、日本人には近代のソフトが完璧にインストールされています。そしてそこに、伝統文化のエッセンスが違和感なく溶け込んでいるのです。だからこそ、日本人は世界で最も秩序とマナーを重んじる民族なのです。」(同61〜62頁)

 

(9)「理性というものが働かない民族なのですよ。これも民度の問題でしょう。」(同68頁)

 

〔略〕

 

(11)「民族まるごとモンスタークレイマー」(同99頁)

 

〔略〕

 

(13)「韓国の人たちは、ゆすり・たかりの材料があると、後先考えずに利用してしまいます。『ゆすらずにはいられない』といったところでしょうか。これはもう『ゆすり・たかり病』というしかないな。」(同109頁)

 

〔略〕

 

(16)「韓国の民度が低いというのは、太陽が東から上り西に沈むとか、インド人はカレーを常食とするとかいうのと同じような、単なる事実でしかありません。事実を事実と指摘して何が悪い。」(同121頁)

 

〔略〕

 

(20)「韓国はどうか。単なる町内の嫌われ者です。」(同249頁)

 

(21)「これまで、笑えるほどたちの悪い韓国の話の数々を紹介してきました。韓国のたちの悪さを十分にご理解頂けたことと思います。」(同252頁)

等と、侮辱、中傷、侮蔑、あるいは日本のほうが優れていて韓国が劣っているという評価を交えた記述などをしている。】

 

【中高生相手の講演は、将来を担う若者の成長に関わることであり、したがって、地方公共団体が中高生相手に催す講演会で講演をする者がどのような者であるかは、公共の利害に関する事実である。】

 

 

【原告は、韓国に関し、過去に以下のようなツイートをしている。

(1)2014(平成26)年2月12日

 

「韓国は、ゆすりたかりの名人で、暴力団よりたちが悪い国だ。そういう国とは、付き合わないのが一番。韓国は黙殺し、反論は国際社会に対してすればよい。」(乙11の1)

 

(2)同年10月10日

 

「そもそも韓国に、毀損されるような名誉があるのか???」(乙11の2)

 

(3)同年2月4日

 

「韓国が慰安婦の像を作るなら、日本人は、嘘をつく老婆の像でも作ったらどうだ?口をとがらせてまくしたて、片手には札束を握りしめて、ゆすりたかりをしている感じで。」(乙11の3)

 

(4)2019(令和元)年7月12日

 

「事実かどうかはもはやどうでも良い。韓国は胡散臭い。韓国政府が何を言っても信用できない。だからホワイトから外す。理由は『胡散臭いから』。それ以上の理由は不要。」(乙11の4の1)】

【原告の発言内容につき、民族差別、国籍差別、男女差別にあたるものがある旨の論評及びそれが問題である旨の論評は、いわゆる“公正な論評”であって、名誉毀損の不法行為は成立しない。】

裁判資料1
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