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今回の裁判に関するこれまでの経過(2022年05月8日更新)

2019年11月8日22時44分  山崎雅弘が「竹田恒泰氏の朝日町教育委員会主催の講演」を批判した最初のツイートを投稿(これを含めて下のツイートまで計7件、https://togetter.com/li/1435792 の冒頭部分で個々のツイートを閲覧可能)

 

2019年11月12日18時29分  山崎雅弘が「富山県朝日町教委は11日、作家の竹田恒泰氏を招いて13日に予定していた講演会を中止すると発表した」という毎日新聞記事を引用した上で、【「開催の妨害を予告する趣旨の電話が町教委にかかり」これは愛知の時と同様、警察が捜査し犯人を逮捕してもらいたい。脅迫という手段で中止に追い込むのは許されない。】と脅迫の犯人を批判するツイートを投稿

 

2019年11月12日23時02分  竹田恒泰氏が上記ツイートを引用する形で【朝日町に「ガソリンを撒く」という脅迫がありました。貴殿が煽ったから、このようなことが起きたのではないですか?】と、あたかも脅迫の原因が山崎のツイートにあるかのように述べたツイートを投稿

 

2019年11月16日19時21分  竹田恒泰氏が【内田樹殿 貴殿がリツイートした山崎雅弘氏のツイートは、私に対する名誉毀損を含んでいます。名誉毀損のツイートをリツイートして損害賠償を認定した判決があったことはご承知の通りです。元の投稿に対しては裁判を準備しています。リツイートの解除を求めます。】という内容のツイートを投稿

 

2019年11月17日2時22分  山崎雅弘が【今回の一件で、私が訴訟の脅しに屈すれば、今後は差別主義者を「差別主義者」と断定して批判することを萎縮する空気が社会に生じる可能性があるので、その選択肢はとれません。】という内容のツイートを投稿

 

2019年11月17日13時58分  竹田恒泰氏が【【訴訟予告】山崎雅弘殿 本日24時までに、私の名誉を毀損する記事を投稿したことにつきTwitterで謝罪し、該当する箇所を全て削除してください。これが実行されない場合は名誉毀損の訴訟を提起します。】という内容のツイートを投稿

 

2019年11月23日、郵便で以下のような内容の「通知書(2019年11月21日付)」が竹田恒泰氏の代理人弁護士より内容証明郵便で届く

【画像1】竹田側の通知書 (1).jpg

2019年11月27日17時24分  山崎雅弘が【先週末、竹田恒泰氏の弁護士から訴訟一歩手前の「最後通牒」のような文書が内容証明郵便で送られてきました。内容は、いくつかのツイートの削除と謝罪、そしてきわめて高額な金銭の要求でした。そんな要求には一切応じません。】という内容のツイートを投稿

 

2019年12月16日  山崎雅弘の代理人弁護士より、以下の内容の「通知書」を、竹田恒泰氏の代理人弁護士に送付

【当職は、山崎雅弘(通知人)の代理人として、竹田恒泰氏の代理人である貴職らに対し、下記のとおり通知致します。

 貴職らは、本年11月21日付けで通知人に対し、通知人がツイッターになした投稿が竹田氏の名誉を毀損するものであり、かかる投稿が朝日町教育委員会に対してなされた脅迫行為に何らかの悪影響を与えたとして、投稿の削除や損害賠償等を求めていますが、通知人のなした投稿は正当な言論であり、よって貴職らの求めには理由がありません。

 したがって貴意には沿いかねますので予めご諒承下さい。】

2020年1月20日22時49分  竹田恒泰氏が【本日、東京地裁に訴状を提出し、山崎雅弘氏を相手とする名誉毀損の訴えを提起しました。裁判の経過はまた伝えます。】という内容のツイートを投稿

 

2020年1月21日15時25分  山崎雅弘が【竹田恒泰氏が、私に対して「名誉毀損の訴え」を提起した模様。これに関する私のコメントは以下の通りです。『竹田氏に関する私の言論は、客観的事実に基づく正当なものです。裁判所には私の主張が理解され、必ずや私が勝訴すると確信しています。(2020年1月21日)』】という内容のツイートを投稿

 

2020年1月23日19時11分  竹田恒泰氏が【訴訟予告】望月衣塑子殿 貴殿は私の名誉を毀損する山崎雅弘氏のツイートをリツイートし拡散しました。私からリツイートの解除を要請しましたが、今のところ貴殿から謝罪がありません。納得のいく謝罪がない場合、訴訟を提起します。】という内容のツイートを投稿

 

2020年1月23日19時15分  竹田恒泰氏が上の望月衣塑子氏に対するツイートの続きとして【納得のいく謝罪とは、具体的に次のようなものです。貴殿のTwitterに、最低1週間、謝罪文を固定表示させてください。謝罪文も私の納得のいくものである必要があります。納得しない場合はその旨通知します。費用はゼロ円ですので、金銭負担はかかりません。】という内容のツイートを投稿

 

2020年1月23日19時46分  竹田恒泰氏が【山崎雅弘氏を相手とする訴訟が始まったので、次のステップに進みます。リツイートした人の中で誠意ある対応を示さなかった人を、提訴していきます。】という内容のツイートを投稿

 

2020年1月31日  山崎雅弘の代理人弁護士より、以下の内容を含む「答弁書」を、東京地方裁判所に提出

【第一 請求の趣旨に対する答弁

 一 原告の請求をいずれも棄却する

 二 訴訟費用は原告の負担とする

   との判決を求める

第二 (略)】

・2020年2月28日  山崎雅弘の代理人弁護士より、訴状の各項目に対する認否と反証を詳細に述べた「被告第1準備書面」を、東京地方裁判所に提出

 ※その書面の中で、訴状にある「当事者 (2)被告」の経歴説明に、以下の文を追加

補足説明  被告の活動は戦史・紛争史の研究に止まらない。

 被告は、過去の紛争や戦争において、人種差別や民族差別が罪のない市民の大量虐殺につながったことから、歴史研究者は差別の問題に敏感であらねばならないとの考えを持っており、かかる信念に基づき、差別と虐殺の問題にも積極的に取り組み、旺盛に講演活動や執筆をしてきている。その中の1つとして、1990年代に起きたルワンダ内戦に関する原稿「死者100万!ーー狂気のジェノサイドはなぜ起きたのか? ルワンダ内戦」を証拠提出する(乙1)。ルワンダで乙1 の大虐殺の火種となったのは、ラジオの娯楽番組を通じて人々に流布された、特定民族に対する差別と偏見、憎悪を煽る“ヘイトスピーチ”であった。ルワンダの事件は、差別的な言葉の社会への蔓延が人々の倫理観を少しずつ麻痺させ、最終的には暴力や殺人へと発展することを示す、恐ろしい悲劇の実例である。

 また、被告は1930年代の日本で流行し、当時の文部大臣も推奨した「日本人は偉い」という自国優越思想が、その後の日本政府と社会の進路を狂わせ、やがて侵略戦争や占領地での他民族蔑視へと繋がった史実を重く見る考えを持っており、かかる信念に基づき、一見すると人畜無害に思える自国礼賛思想に対して警鐘を鳴らす言論活動も行なってきている。その中の1つとして、2018(平成30)年6月に被告が上梓した著書『[増補版]戦前回帰 「大日本病」の再発』(朝日文庫)の一部を証拠提出する(乙2)。】

・2020年3月7日13時18分  山崎雅弘が【昨日、東京地裁で竹田恒泰氏との裁判の「第一回期日」が行われました。私の代理人弁護士より、訴状の各項目についての答弁書と、私の職業倫理に基づく投稿意図を述べた説明、およびその裏付けとなる過去の仕事2点(「ルワンダ内戦」の記事と『戦前回帰』)の写しを証拠として提出していただきました。】という内容のツイートを投稿

【画像2】ルワンダ内戦.jpg
【画像3】戦前回帰.jpg

以下、『[増補版]戦前回帰 「大日本病」の再発』(朝日文庫、2018年6月発行)より提出部分のさらに一部のみ引用

最後に、戦前に刊行された一冊の小冊子を紹介して、本書の締めくくりとします。タイトルは『世界に輝く 日本の偉さはここだ』。

 新潮社の『日の出』という大衆雑誌の一九三三年十月号附録ですが、のちに日本の針路を大きく狂わせることになる国体明徴運動が起きた背景として第二章で解説したように、一九三三年の日本人は、満洲事変後の国際的孤立と経済的低迷で、欧米列強と同格の一等国民としての自信が大きく揺らぎ、将来への明るい展望を見失っていました。

 そんな自尊心の弱った精神状態の日本人に向けて、日本や日本人は他の国と比べてこんなに「偉い」のだ、という自国優越思想の記事を、計一六〇ページにたっぷり詰め込んだのが、『世界に輝く 日本の偉さはここだ』という冊子でした。(略)

 『世界に輝く 日本の偉さはここだ』に掲載された記事を見ると、タイトルも視点の取り方も、昨今の書店でしばしば目にする「日本礼賛本」や「日本礼賛記事」、あるいはテレビでよく見る「日本礼賛番組」とよく似ていることに気付きます。(略)

 同書に収録されている記事のタイトルや見出しを列挙すると、「日本人特有の才能」「美的趣味は世界第一」「時計のように正確な鉄道」「日本人大もて」「欧州人にはできない芸当」「世界を驚かす日本の発明」「世界に輝く科学日本」「欧米人を遙かに凌ぐ愉快なる実例」「大いに自尊感を高めよ」など、まさに唯我独尊、夜郎自大を絵に描いたような様相を呈しています。

 こうした記事で酔ったように書き連ねられる、日本人に特有とされる美点や長所は、客観的に見れば、決して「日本人だけ」が備えているわけではないことが理解できるはずですが、前記したような理由での自信喪失と自尊心の動揺、そして将来の展望の不透明さなどにより、客観的な視点で物事を考える能力が低下しつつあったのかもしれません。

 もし客観的な視点が多少でもあれば、日本や日本人を際限なく称賛する行為が、そのまま「日本以外の国や国民を見下し、侮蔑する差別感情」にも容易に転化するという危険性を理解できるので、自国礼賛の言動には一定の抑制がかかるはずです。自国礼賛と他国蔑視は、思考形態としては表裏一体の関係にあります。】

・2020年3月22日22時57分  竹田恒泰氏が【内田樹殿 山崎雅弘氏を相手にした名誉毀損裁判が終わりましたら、貴殿も提訴しますので、少々お待ち下さい。貴殿をはじめ、名誉毀損ツイートをリツイートした方への訴訟はまとめて行う予定です。】という内容のツイートを投稿

 

・2020年4月15日  山崎雅弘の代理人弁護士より、訴状の各項目に対する認否と反証を詳細に述べた「被告第2準備書面」を、東京地方裁判所に提出

 ※その書面の冒頭に、以下の文面を含む

第一 公正な論評の法理

 ある事実を基礎としての意見ないし論評の表明による名誉毀損にあっては、その行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあった場合に、右意見ないし論評の前提としている事実が重要な部分について真実であることの証明があったときには、人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り、右行為は違法性を欠き、また、仮に右意見ないし論評の前提としている事実が真実であることの証明がないときにも、行為者において右事実を真実と信ずるについて相当の理由があれば、この故意又は過失は否定される(最3小判1997(平成9)年9月9日・民集51巻8号3804頁)。】

・2020年6月12日  東京地方裁判所で「第二回期日」が行われ、山崎雅弘の代理人弁護士より、訴状の各項目に対する認否と反証を詳細に述べた「被告第2準備書面」の陳述と、関連する証拠の提出を行なう

◆「被告第2準備書面」の内容より一部抜粋(「裁判資料1」参照)

 

・2020年8月21日  東京地方裁判所で「第三回期日」が行われ、山崎雅弘の代理人弁護士より、訴状の各項目に対する認否と反証を詳細に述べた「被告第3準備書面」および「被告第4準備書面」の陳述と、関連する証拠の提出を行なう

・2020年10月30日  東京地方裁判所で「第四回期日」が行われ、山崎雅弘の代理人弁護士より、訴状の各項目に対する認否と反証を詳細に述べた「被告第5準備書面」「被告第6準備書面」「被告第7準備書面」「被告第8準備書面」および被告(山崎雅弘)による「陳述書」三通の陳述と、関連する証拠の提出を行なう

 

・2020年12月11日  東京地方裁判所で「第五回期日」が行われ、山崎雅弘の代理人弁護士より、訴状の各項目に対する認否と反証を詳細に述べた「被告第9準備書面」「被告第10準備書面」の提出を行なう(この期日にて弁論は終結)

・2021年2月5日  東京地方裁判所415号法廷で「第六回期日」が行われ、午後1時10分に判決が言い渡される

 

【主文 1.原告の請求をいずれも棄却する。2.訴訟費用は原告の負担とする。】

・これにより、東京地方裁判所での裁判は、山崎雅弘側の全面勝訴として終了

・判決後、佃克彦弁護士、内田樹神戸女学院大学名誉教授、山崎雅弘の三名で司法記者クラブにて記者会見


 

 

 

 

 

 

◆記者会見を収録した動画(東京新聞チャンネル) https://www.youtube.com/watch?v=Q9k0uDLmLAg

◆判決に関する報道

 

・東京新聞 https://www.tokyo-np.co.jp/article/84338

・時事通信社 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020501172

 

・2021年2月18日 竹田恒泰氏が一審判決を不服として控訴

・2021年4月6日 東京高裁の第10民事部より佃克彦弁護士に、控訴審の担当部が当部になった旨の連絡あり

・2021年5月27日 東京高等裁判所で「控訴審第一回期日」が行われ、佃克彦弁護士より、控訴状の各項目に対する認否と反証を詳細に述べた「控訴答弁書」「被控訴人第1準備書面」ならびに山崎雅弘が作成した陳述書4通(「控訴理由書の問題点について」「乙41・42の動画4について」「『人種差別撤廃条約』等に照らした控訴人のツイートの問題点について」「『日韓関係が悪い状態の方が望ましい』という控訴人の主張について」)の提出を行なう(この期日にて弁論は終結、結審)

 



 

 

 

 

 

・2021年8月24日 東京高等裁判所825号法廷で「第二回期日」が行われ、午前11時45分に判決が言い渡される
 
【主文 1.本件控訴を棄却する。2.訴訟費用は控訴人の負担とする。】
 
・これにより、東京高等裁判所での控訴審も、山崎雅弘側の全面勝訴として終了
 
・判決後、佃克彦弁護士が司法記者クラブにて記者会見
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
◆佃克彦弁護士の記者会見を収録した動画(東京新聞チャンネル) https://www.youtube.com/watch?v=qH7IFeDKM3E
 
◆判決に関する報道
 
・東京新聞 https://www.tokyo-np.co.jp/article/126564
・時事通信社 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082400736
・神奈川新聞 https://www.kanaloco.jp/news/social/article-644497.html
・弁護士ドットコム・ニュース https://www.bengo4.com/c_23/n_13461/
 
・2021年9月3日 竹田恒泰氏が控訴審判決を不服として上告
 
・2021年9月10日 『「竹田裁判」控訴審勝訴判決へのコメント』(内田樹・望月衣塑子・山崎雅弘)の動画をYouTubeで公開(動画の収録は2021年8月25日)
https://www.youtube.com/watch?v=uwR74hhzNOs

・2021年10月28日 竹田恒泰氏側が「上告理由書」と「上告受理申立理由書」を最高裁判所に提出

・2022年1月12日 最高裁判所より前日付の「記録到着通知書」が山崎雅弘の代理人弁護士に届く

・2022年1月13日 山崎雅弘の代理人弁護士が「被上告人意見書」と「相手方意見書」を最高裁判所に提出

・2022年4月14日 最高裁判所より前日付の「決定」が山崎雅弘の代理人弁護士に届く

【主文 1.本件上告を棄却する。

2.本件を上告審として受理しない。

3.上告費用及び申立費用は上告人兼申立人の負担とする。】

 

《これにより、竹田恒泰氏が山崎雅弘に対して提起した裁判は、山崎雅弘側の全面勝訴として、すべて終了》

・2022年4月21日 佃克彦弁護士、内田樹神戸女学院大学名誉教授、山崎雅弘の三名で司法記者クラブにて記者会見

 

◆記者会見を収録した動画(東京新聞チャンネル)https://www.youtube.com/watch?v=iC11RBmzMcE

◆判決に関する報道 

・東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/173143

・弁護士ドットコム-https://www.bengo4.com/c_23/n_14401/

・日刊スポーツ(共同)-https://www.nikkansports.com/general/news/202204210001140.html

 

以上

 

【画像4】テミス像1.jpg
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